お客様と職人さんと・・・一緒に庭づくりをした本格的和庭 【東京都】
玄関扉が二つ並ぶ、二世帯住宅の玄関ポーチ前。
駐車場の奥、アプローチ横の細長い空間に作られた
この庭は、手前が風情ある和の小道、奥が本格的な
和庭となっています。
新築物件でしたが 外構工事は先に済ませ、入居後に
造園のご依頼を頂きました。
造園への意識が強く 『窓前に本格的和庭を作りたい』
『(ご主人の購入された)水鉢を活かしたい』といった
事前のご要望だけでなく、計画から 施工時の配置検討
まで、お客様も積極的に庭づくりに参加。
その熱意に応えるように、職人さんも色々とアイデアを
出して下さり・・・ お客様、職人さん、私ども、皆で共同
制作した庭となっています。
手前の和の小道は、職人さんの発案で自然石を敷き
詰めた「あられこぼし」。
完工したばかりなので、今は 土面が目立ちますが、
石の周りに植えられた苔が地面を被い、両脇の植栽が
大きく育つ頃には、しっとりとした風情を感じる和の小道
となる予定です。
庭の植栽は、四季の彩りを意識して選定。
植栽は奥様が色々と調べて様々なアイデアを出して下さり、品種にもこだわってお好みの花を選びました。
早春の梅から始まり、マメザクラやユスラウメ、ツツジ、サツキ、アジサイ・・・と季節が進むごとにあちこちで花が咲き、
夏は緑の木々と水の景、秋はキンモクセイが香り、やがて紅葉が庭を彩ります。
冬も常緑樹の緑やセンリョウの実、そして庭木の足元に添えられた様々な常緑多年草が庭の彩りを維持します。
小道の奥にある和庭は、入口にオオモミジ’大盃’を植栽し、その足元にスイレンを植えた水鉢を配置。
玄関扉をあけた際 ちょうど視点がとまる位置で、夏はスイレンの咲く水辺の景を楽しめます。(今後メダカを放す予定との事。)
その奥、窓の正面には、和庭の景の中心となる灯篭と蹲(つくばい)を設置。
筧(かけい)から手水鉢に流れる水は循環させてあり、風情ある水の音を楽しむ事ができます。
和庭の背景でもあり、隣地境界の目隠しフェンスでもある人工竹垣は、L字に設置して 一番奥の物置もさりげなく隠し、
窓からは和庭だけを眺められるように。
人工竹垣や砂利を明るい色とする事で、奥まった位置にあることを感じさせない、明るい空間となっています。
すっきりと明るい和庭の緑や涼やかな水の音は、部屋の窓からも日々出入りする玄関先からも楽しむ事ができます。
日中は和庭の景となり、夕暮れ時からは庭をほのかに照らす和の照明は、玄関前空間の明かりとしても活躍。
和庭を照らしながら、帰宅した家族を優しく迎えます。
モミジの紅葉が美しい秋の庭。
赤い葉の風情を楽しむ為に、あえて掃除はせず、
そのまま残してあるとの事。
あられこぼしの小道まわりの苔もしっとりと美しく、
和の風情と季節の彩りを楽しむ美しい庭です。
冬を経て・・・ 早春の庭。
暖かい春の日差しを受けて咲き始めた春の花や、
芽ぶき前の静かな樹木。
四季の移り変わりとともに 季節に応じた穏やかな景色を
楽しめる 素敵な庭となっています。
【提案時イメージパース】
NATEX 東京東営業所
設計/ 岩井 施工管理/岩井 作図/三木
施工会社/ 庭や
監修/ お施主様